無農薬野菜 栽培

土づくりは堆肥づくりから

窒素(N)、燐酸(p)、カリ(K)などの化学肥料を多量に施した畑には病虫害が多発します。近代農法では、病虫害が発生すると農薬で処理し、土がどんどん死へと追いやられている。しかし有機農法では農薬や化学肥料は無用の長物。では、どのような土をつくれば、どのような栽培をすれば病虫害が出ないのか。農地というのは、自然に出来た土を人間の力である程度、自然破壊を行うことを意味する。その自然破壊を最小限にし、生物界のバランスを保持させるのが有機農法といってもいいだろう。

生きている土

  1. 土は固くてはいけない。団粒組織といって排水もよく、保水性もよく、酸素もたくさん含まれている。
  2. phも6くらいの弱酸性に保たれている(ph7が中性)
  3. 肥料の成分も、N,P,Kの含有量がそれぞれO.5%くらいで、その他の微量要素が含まれている。このような理想的な土をつくるには、何よりも堆肥づくりが基本となる。堆肥をつくるということは土をつくるということである。

堆肥の不思議なメカニズム

堆肥には私たちが考えられないような植物に必要な成分や生育に必要なメカニズムがあるものと思われる。野菜を病虫害から守ることができるし、被害があっても最小限で食い止めることができる。土中に生息し、農作物の根に寄生して被害を与える緑虫(ネマトーダ)には、堆肥を土中に施肥することにより土中の生物界のバランスができ、緑虫が多い状態が解消される。

堆肥作りの実際


堆肥の材料「家庭から出る生ゴミ」「雑草」「古畳」「木の枝や落ち葉など」、堆肥はこれらを土にして大地へ返すのだ。以下は配合表

堆肥

堆肥場


堆肥場というと、コンクリート床で屋根つきでなければならないと思い込んでいる人も多いが、下は土間のままで屋根の必要はない。日当たりがよく、水場に近い場所に設置する。水場が遠いと、堆肥の積み込みや切り返しの際の水かけに苦労する。

堆肥場

堆肥を積み込むのは、出来れば晴天の日がベストだ。一番下には、少し粗い材料を敷く。あとは、材料を混合した方式でもいいし、材料別のサンドイッチ方式でもよい。50cmくらいの高さに積んだら、足で踏み固めながら土間にしみ出す程度の水を振りかける。よく踏み固めたら、再びその上に材料を積み込む。また、50cm積んだら同様の動作を繰り返す。こうして1〜2mの高さに積み上げる。こうしておけば、順調に進むと、一昼夜で30℃〜45℃、二昼夜で70℃前後に発酵する。一週間もすると、表面にうっすらと白いカビ状のものが出始める。これが、方腺菌という好気性菌である。堆肥はバクテリアなどの手助けによって出来る。生物によって土がつくられていることがわかる。その後、積みこんだら10日から2週間おく。

第一回目の切り返し

10日から2週間がたつと、堆肥の中の酸素と水分が不足するので、酸素の補給と水分の調節のために、切り返しを行う。固まっているところがあれば、よくほぐし、左の空いたスペースに堆肥を移動させて切り返しを行なっていく。水分の足りないところには補給をしていく。初めに積み込んだときはどは固く固めないこと。水分も少なめにする。切り返しが終われば、カーペットなどをかけて、軽く重しをしておく。切り返しをすれば、一昼夜くらいで60℃前後に熱が出る。

第二回目の切り返し

さらに、10日から2週間後に二度目の切り返しをする。この頃になると堆肥の分解は急速に進んでくる。そこで、水加減は慎重に行い、水をやりすぎないように注意をする。堆肥は好気性のバクテリアで分解されているので、堆肥の中に酸素を送り込むのがこの作業の目的である。

第三回目の切り返し

さらに、10日から2週間あとに、三度目の切り返しをする。大部分は分解も進んでいるので、水分はあまり必要としない。堆肥はほとんど踏みつけないようにする。切り返し後、40℃〜50℃くらいの発酵熱が出る。その後、15日くらいたつと、発酵熱も30℃以下に下がり、堆肥の表面にはキノコなどが出始め、ミミズ、ヤスデ、ダニ、クモなどが生息し始めると、堆肥の熟成過程の後期に入る。

2〜3ヶ月で完熟

材料と堆肥づくりの管理いかんで熟度も違ってくるが、早いもので2ヶ月、遅くとも3ヶ月経過すれば完熟堆肥として土に鋤きこんでもよい。このような過程を辿る堆肥づくりは、目に見えないバクテリアとの共存と共同作業の産物をいっていいだろう。こうして完成した堆肥は悪臭がなく、さらっとした感じになる。堆肥に含まれるN,P,Kの成分量が0.5〜O.6%くらい、PHは7(中性)である。

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